駿河問い   



2004/06/16 掲載
2018/03/29 改稿



駿河問い
『 拷問刑罰史 』 名和弓雄著 雄山閣 より

駿河問いとは

 両手首、両足首をそれぞれ縛り合わせ、背中側でひとまとめにして釣り上げる拷問。背中に重石を乗せることもある。
 釣られた被疑者を何回転もまわして釣り縄にねじりを掛け、戻る反動で勢いよく振り回す。ねじりが解けるまで、右に左に回り続ける。
 やがて、全身から汗と脂が、鼻や口から血が噴き出すという。

 この拷問は、駿河町奉行、彦坂九兵衛が考案したといわれており、切支丹宗徒などに対しておこなわれた記録がある。


駿河問い 体験

 見た目がアクロバティックな拷問、駿河問いに掛けられた。
 縄を掛けるのは、後ろに回した両手首と、両足首のみとする。
 シンプルな形が一番苦しく、余計な縄を追加すると苦痛が和らいでしまう。
 床に腹這いになり、一本の縄の両端で、右手首と左手首を縛られる。
 もう一本の縄の両端で、右足首と左足首を縛られる。
 そして、それらの縄をチェーンブロックのフックに掛けて、吊し上げられる。
 手首と足首が離れすぎないように、また上体が下がりすぎないように縄を調整すると、見栄えが良い。
 胸が床から離れ、身体が揺れる。
 縄が手首に食い込み、耐え難い痛みであった。
 屈辱ながらも、一旦下ろして頂く。


駿河問い

 ちょっとズルをして、手首に布を巻いた上から縛って頂く。
 そして、再度吊り上げ。
 手首、足首に縄が食い込むが、なんとか耐えられそうだった。
 しかし今度は、背中・腰の痛みがとても辛くなってきた。
 この上さらに背中に重りを載せられたら、とても耐えられない拷問だと思った。


駿河問い

 さらにズルをして、胸に掛けた縄に体重を分散させてみる。
 これならば、しばらく吊られていることができそうだった。
 そこで、駿河問いの極意であるところの、回転を味わってみることにした。
 身体が回され、吊り縄に捩りを掛けられてゆく。5回、10回。
 手が離され、ゆっくりと回り始める身体。
 視界が横へ横へと流れてゆく、不思議な感覚。
 ……しかし縄の捻れが弱いせいか、回転する速度が遅い。
 もっと、ぐるんぐるん回されてみたい。
 吊り縄を工夫して、より強く捻りが掛かるようにした。
 再度、身体を回される。5回、10回と。
 そして、今度は勢いよく回り始める身体。


駿河問い

 呻き声が漏れる。身体中から汗が噴き出す。
 尋常でない、目眩と吐き気。
 目をつぶっても、頭の中がぐわんぐわんする。
 気持ち悪くて、気持ち良い!
 これ以上回されたら嘔吐する、というところで、信乃は折れた。
「お許しください、申し上げます……」

 身体を降ろされた後も気分の悪さは治まらず、しばらくは上体を起こすことすらできなかった。



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