自縛・拷問ゴッコの限界



 過日、私は三〇分間の木馬責めを耐えることができました。自身の最高記録です。
 股間の痛みは一〇分ほどでピークに達します。それを過ぎると、あとは気力と根性の戦 いになります。と、言葉で書くのは簡単ですが、実際には本当に辛いんですよ! 江戸時代の女囚に成りきって、白状したら処刑されてしまう、くらいの心意気で臨まないと、耐えられるものではありません。
 果てしなく長い時間に感じられた三〇分を耐え抜き、後ろ手の自縛を解いて木馬から降りようとしたのですが、両足は鉛の塊のように重く、まるで感覚がありません。
 両手を木馬の背について身体を支え、踏み台に爪先を乗せるのですが、足に力が入らないので、木馬の上から降りることができません。
 数分後、辛うじて足を動かせるようになったので、木馬を跨ぎ越え、崩れるようにして床に降りました。
 ……私は三〇分間の木馬責めを体験して、もっと長い時間でも耐えられるという感触を得ました。しかし、余りに身体を痛めつけてしまうと、自力では降りられなくなってしまう恐れがあります。

 石抱きの場合も同様です。ぎりぎりまで身体を追い込んでしまうと、重石を膝の上から降ろす余力が無くなってしまいます。

 私は、後ろ手に自縛する際には、皮の手枷を使用しています。絶妙な長さに調節してありまして、縛めるのに三〇秒、解くのに三〇秒ほどかかります。
 しかし、これが痛めつけられた身体では、なかなか思うように解けず、パニックになる時もあります。
 自縛プレイを楽しむ方々は、皆さん、刃物を手近なところに用意したりして、不測の事態に備えているようです。しかし私の場合、後ろ手の拘束が解けないことには、木馬から降りることも、重石を膝の上から降ろすこともできません。待ったなし、即座にピンチに陥りますので、気をつけるように心がけています。

 結局のところ、足腰が立たなくなるほど厳しい責め、気を失うほど激しい拷問を体験するのは、独りでは不可能なんですよね……ということを実感しています。残念なことです。



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